【書評】ローンで購入したモノで囲まれている人へ。人生で重要な資源である「時間」を無駄に浪費していませんか?

2016年4月に日本を訪問して講演を行った元ウルグアイ大統領のホセ・ムヒカ氏。講演後にはムヒカ氏の質素な暮らしぶりが紹介されたこともあり、「世界で最も貧しい大統領」として有名になりました。

ぼくはメディアでムヒカ氏のことは知っておりましたが、「世界で最も貧しい大統領」の部分だけで、あとはムヒカ氏の何もわかりませんでした。

今の世界はグローバル経済が当たり前のようになり、日本や欧州が成熟した低成長社会に突入するなかで新たな消費を創り出すべく国や企業が新興国へこぞって進出しています。

消費が正しい事だと前面に押し出された社会において、ムヒカ氏の生き様は我々に何か大きな示唆を与えてくれると思います。今回、ムヒカ氏の著書「ムヒカさんの幸福論」を読んで考えさせられた内容を挙げてみたいと思います。

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「貧しさ」は限りない欲を生み出す

「みんな誤解しているね。私が思う『貧しい人』とは、限りない欲を持ち、いくらあっても満足しない人のことだ。でも私は少しのモノで満足して生きている。質素なだけで、貧しくはない。」

一般的にお金が無くてモノを持っていない状態のことを、「貧しい」というように考えられています。

車が無い、いいスマホをもっていない、豪華な食事をレストランでできない。

全てどれも無いものに対して、限りない欲望を持って追い求めている状態にあります。当然その欲望が尽きることはなく、あるものを手に入れたら必ず新しい何かを探し求めるようになります。

その姿はまさに「貧しさ」を前面に押し出した欲望の塊です。

ぼくも社会人に入ったころは、漠然と皆が凄いといってくれるような車に乗りたかったし、必要ないモノを何となく購入していた時期がありました。その状態は、今考えると自分に幸せをもたらしていたとは絶対に言えません。

でも、当時のぼくは「モノ」が欲しくてたまらなかったんです。その「モノ」が何で、手に入れた後にはどのような幸せをもたらしてくれるかすら理解してませんでした。

稼ぐために働いた人生という時間

「モノを買うとき、人はカネで買っているように思うだろう。でも違うんだ。そのカネを稼ぐために働いた、人生という時間で買っているんだよ。生きていくには働かないといけない。でも働くだけの人生でもいけない。ちゃんと生きることが大切なんだ。たくさん買い物をした引き換えに、人生の残り時間がなくなってしまっては元も子もないだろう。質素に生きていれば人は自由なんだよ」

人生では大きな買い物をするために、多額のローンを組むことが一般的です。でも、このローンは金銭的な負担だけでは無く、人間の人生や思考を何十年も縛ることになる恐ろしいものです。

ムヒカ氏は、モノを買うときにそれまで使った時間で買っていると説いています。

まさにその通りですが、ローンを組んでしまった場合にぼくは「その後の人生で使える時間で買っている」と考えるようにしています。

身分相応以上のモノを手に入れるために、人生の貴重な時間を投入する。その行動を支えるのはまさに「欲」からくるものです。

その欲に突き動かされた結果、ラットレースのようにひたすらローンに追いまくられる人生に突っ込みます。

アメリカや日本でも、住宅ローンに縛られずに自由な人生を謳歌するために、小さな住宅「タイニーハウス」に住む人が増えています。これも、まさに人生の貴重な何十年もの時間を住宅ローンに投入することに疑問を抱いたひとがでてきている証拠だと思います。

現に、ぼくも何十年も住宅ローンを組んで人生を縛る考えはありません。それなら、トレーラーハウスや中古物件で十分だと考えています。大切なのはモノではなく、人生で大切な経験や豊かな生活を実現できるための環境です。

その環境は経済面だけで担保されるのではなく、社会的繋がりや創造といったことからも確保できると考えています。

モノや消費に頼った人生は、ローンで自分を縛ることになる

ー幸せだと感じるのは、どんなときですか?-

自分の人生の時間を使って、自分が好きなこと、やりたいことをしているときさ。いまは冬に向けて、ビニールハウスにトマトの植え替え作業をしているときかな。それに幸せとは、隣の人をよく知り、地元の人々とよく話し合うこと。会話に時間をかけることだとも思う」

日々目まぐるしく過ぎていく中で、忘れてしまっている大事なことに、たまにはゆっくりと向き合ってみることも必要なんだと思います。

以上、【書評】ローンで購入したモノで囲まれている人へ。人生で重要な資源である「時間」を無駄に浪費していませんか?、、、をお送りしました。